大山忠作襖絵展

 10月22日、気になっていた「大山忠作襖絵展」を鑑賞してきました。
 大山忠作画伯はご存知のとおり、日本画の巨匠にして文化勲章受章者であり、その多くの作品の中でも大本山成田山新勝寺光輪閣襖絵全二十八面を約2年の歳月をかけ完成させたことでも有名であります。この襖絵をはじめ大山画伯の作品を一堂に集め、出身の地である福島県二本松市の大山忠作美術館に於て10月1日~11月17日の間、特別企画展が開催されるのを知って行こうか行くまいか悩んだ末、思い切って行くことにしました。恐らく、このような企画は二度とないと思ったからです。
 朝、8時に車で寺を出て着いたのは11時頃、東北自動車道約3時間の所要時間でした。最近でも宇都宮、那須くらいまではよく運転するのですが、郡山の先の二本松までというと少し気後れする距離だなと思いましたが、この襖絵を見た瞬間、矢張り思い切って来てよかったと思いました。
 今回の作品中の目玉である襖絵、新勝寺光輪閣「日輪の間」~日没の太陽、「月輪の間」~満月、そして瀧桜(春)、楓(秋)と「日月」、「春秋」の対比。
 全体としてのテーマは「対比」がこの襖絵で表現したかったこととパンフレットに書かれていました。 白、金、群青、朱と色のコントラストが本当に美事でした。
 仏さまをお飾りするのに相応(ふさわ)しい日本画であると改めて絵画~美術のすばらしさに感銘いたしました。
 因(ちな)みに成田山では現在、この襖絵は一般公開していないということです。襖絵を鑑賞した後の展示室にかけてあった「瑞翔」(鶴が羽ばたく絵、150号)は自坊にかけてある絵と鶴の描き方が同じであったことに感激しました。当山のこの絵は大山画伯が文化勲章を受ける前に購入したものと記憶していますが、小作(3号)ではありますが大山画伯の作品をいつも側(そば)で見ていられる喜びを感じます。
 いま、上野の西洋美術館ではモネ展が開催されており、最近は外国まで行かずとも日本で内外の著名な画家たちの作品を鑑賞することができます。幸せな時代に生きていることを実感すると共にいつまでも芸術を楽しめる平和な世の中でありますよう祈ります。

合掌
2024年10月31日