今年の夏は当初、冷夏の見込みと言われていました。
月から6月の梅雨の間も肌寒く、初夏とは思えない気候が続いていたので無理からぬ予想であったと思います。
しかし、予想に反し梅雨明けした7月17日以降、関東では連日の猛暑に見舞われ未だ気温が下がる見込みはないようです。特に岐阜県多治見市では今夏最高の39.4度を記録、我が埼玉県でも熊谷市では連日の高温を記録中であるとか。
この高温による被害も拡大しており、17日~25日までに熱中症で亡くなった人は81人、その大多数が65歳以上の高齢者であり、しかも室内にいたケースが半分以上でした。
老人の死亡率が高いことと室内での死亡が多い理由については、今の住宅は気密性が高く風通しが悪いこと(窓を閉めてエアコンをつけないでいたケースが多かった)や独り暮し、日中独居(昼間だけ独り暮しになる)の老人が増えていること等が揚げられると思います。高齢になると暑さの感覚が自分では感じにくくなるようです。そこには高齢社会の縮図が見てとれる感じがします。
7月末現在での、今年の夏の様子を取り上げてみましたが、昔の日本の夏はどんな感じであったのか?(昔といっても60年しか生きていないので、その中での話です)
昔の日本の家屋は殆んどが瓦屋根で、今の家のように気密性は高くなく、しかも細かく部屋がしきられてなく壁は土壁で暑さを遮断するという意味では優れていたように思います。(それはあくまでも暑さの面から見ただけで冬の寒さや地震対策となると話は別になると思います)
また、暑さに対して感覚的に(五感で)対処というか消化しようと努力していたように思えます。視覚的には朝顔を吊るしたり金魚鉢に金魚を泳がせたり、聴覚的には風鈴の音を楽しんだり、味覚ではかき氷を食べたり涼しげな料理を作ったり、或いは打ち水を打ったり浴衣を着て下駄を履いたりと。
さしずめ浴衣や下駄はクールビズの元祖ともいえるのかなと思います。
別に昔の方が良かったと言っている訳ではありませんが、懐かしさを込めて今の時代と比べると、昔の方が知恵を生かし、夏を全身で楽しんでいるような感じがします。
そうそう、お盆も夏の代名詞として忘れてはいけませんよね。
今、ここにいる私はご先祖のお陰。「私がいてあなたがいる」のではなく「あなたがいて私が存在している」という考え方。この考え方が仏教なんですよね。
お盆には家族みんなで浴衣をきて、お墓に亡くなった方のみ魂をお迎えに行く、こんな光景が見られたら実に平和だろうなと思う今日この頃です。
合掌
2010.08