3.11に想う

 今、宮城県と福島県にわずかながら救援物資を送る作業を終えたところです。
 東北関東大震災で被災され、亡くなられた多くの方々の御魂に合掌し、家を失い、家族を亡くし、生きる望みを失っている大勢の方々には、かける言葉も見つかりませんが、故郷の復興を見届けるまでは頑張って頂きたいと切に願うものであります。
 3月11日 午後2時46分、これからは「311」という数字は忘れることのできない、アメリカでテロが起きた「911」よりも脳裡に深く刻みつけられたものとなるでしょう。
 気の利いた慰めの言葉よりも、まず実行、私たちひとりひとりが今、何を為すべきかを試される時と言えるのではないでしょうか。
 それは分かっていても、できる事には限りがあります。できる中で応分の施しをすることが大事なことではないかと思っています。
 そこで、改めて「六波羅蜜」を想い出しました。

精進波羅蜜(しょうじんはらみつ)不断なく精進せよ!
忍辱波羅蜜(にんにくはらみつ)苦難に出会っても、耐えぬくこと!
布施波羅蜜(ふせはらみつ)お金や物だけでなく、思いやりの心も分け与えよ!

 こう書いてきて、仏さまの教えが今ほど鋭く、心に突き刺さる時はなかったような気がします。
 この教えの全てを被災者の方々を始め、救援している人たちが実行していると思うと、頭の下がる思いで一杯になります。
 特に、福島第一原発で作業をしている東京電力社員、東京消防庁を始め、消防関係の方々、自衛隊員、警察関係の方々、命がけの働きに深く感謝申し上げます。
 私は、本尊様と聖天様に毎日これ以上の被災が広がらないように、早く原発も治まりますようにと祈るばかりの日々です。
 18日に福島原発に向かった東京消防庁のハイパーレスキュー隊の総隊長は、奥さんに「これから出動してくるよ。」とメールをしたところ、「日本の救世主になってください。」との返事・・・感涙にむせぶシーンでありました。この夫にして、この妻あり。「日本はまだまだすてたもんじゃない」と思ったのは、私だけではないと思います。
 この先も、日本にはどんな困難が待ち受けているか解りませんが、みんなの団結力で、みんなの知恵で立ち向かって行けば、日本の復興は果たせると思うのです。逆境をチャンスにと願わずにはおられません。

合掌
2011年3月26日