去る7月28日に、日本三大聖天の一つに数えられる埼玉県熊谷市にある「高野山真言宗妻沼聖天山」(めぬましょうてんざん)に参拝してきました。
三大聖天とは、奈良「生駒聖天」(いこましょうでん)・東京浅草「待乳山聖天」(まつちやましょうでん)と妻沼聖天をさし、それぞれ大聖歓喜天尊(聖天さま)を祀る著名な寺であります。
これらの寺には今まで何度となく参拝をしてきましたが、妻沼聖天では国指定重要文化財である御本殿の保存修理工事が、平成15年より8年の歳月と13億5千万円の巨費を費やして終了し、本年6月より一般公開されたため、その完成した姿を一目見ようと訪れたものです。
当日は生憎の雨がちらつく曇天でありましたが、この豪華絢爛たる彫刻彩色は日光東照宮を彷彿とさせる見事なものであり、見る者を圧倒する正に国の重要文化財でありました。皆さんも一見、必見の価値ありです。
この妻沼聖天は、平家物語などで武勇に秀れ義理人情に厚い人柄が称えられている「斉藤別当実盛公」が当地の庄司として祖先伝来のご本尊、聖天さまを治承3年(1179年)にお祀りしたのに創まり、次いで実盛公の次男「斉藤六実長」が出家して、建久8年(1197年)に本坊の歓喜院を開創したのが縁起であります。 ご本尊は錫杖の中央に祀られているので、「御正体錫杖頭」(みしょうたいしゃくじょうとう)として国指定重要文化財であるが、秘仏であります。
そもそも、聖天さまは弘法大師が唐より密教とともに仏法の守護神として請来され(御請来目録にも書かれている)、福運厄除の神として信仰されております。 特に縁結び、夫婦和合、商売繁昌などに霊験あらたかであり、また大変熱心な信者さんがいることでも有名であります。
私も聖天さまを信仰してより早くも30年にならんとしておりますが、今までの間に様々なご利益を頂戴して参りました。故に、聖天さまのご利益については私自身がよく承知しており、今後もうまず、たゆまず聖天さまの意に叶うよう精進して参りたいと思っております。
そこで今回見学してきた本殿の彫刻の中に、日光の眼り猫で有名な「左甚五郎」(四世か五世)が彫った「鷲と猿」の解説を紹介し、聖天さまのご本誓をお示ししたいと思います。
合掌
2011年8月