三ヶ寺合同「総本山智積院」参拝の記

 11月16日より2泊3日の日程で、真言宗智山派「総本山智積院」を参拝して参りました。参加者は密蔵院、正源寺、泉蔵院三ヶ寺の檀信徒総勢92名であり、バス2台に分乗して16日、早朝6時に一路、羽田空港に向いました。
 羽田空港より広島空港に降り立ち、先ずは最初の訪問地「広島平和記念資料館」、「原爆ドーム」を見学、戦争、特に原爆の恐ろしさと悲惨さを改めて確認、資料館では、皆、言葉の出ない様子でありました。亡くなられた多くの被害者に黙祷、「同じ過ちは二度と繰り返しません」の言葉を心よりお唱えして参りました。

 その後、広島市内の食事処で広島名物、お好み焼きに舌鼓(したづつみ)を打ち、バスは世界遺産「安芸の宮島」へ。船にて約10分、海から望む「厳島神社(いつくしまじんじゃ)」は平清盛の時代も同じ風景だったのかと、古(いにしえ)の時代にしばし想いを募らせる一時でした。船が着くと直ぐに厳島神社への参拝となりました。 厳島神社は過去、数度の台風による被害を乗り越え、今も水面(みなも)に雅(みやび)な姿を映しており、特に朱色に輝く大鳥居は潮の満ち引きにより歩いて行くこともでき、今回は翌朝の干潮時に多くの人が歩いてこられました。又、今回は時間の関係で行くことができなかったのですが、宮島にはロープウェイがあり、原生林を越えた山中に、弘法大師が護摩を焚かれたお堂があり、その護摩の火は今に消えることなく灯され続けております。(私は10年ほど前にお参りをしてきました)

 翌17日、朝8時15分、投宿したホテルみや離宮を出立。 宮島に想いを残しながら、今回の旅の目的である京都総本山智積院へと新幹線に乗車し、日中参拝(午後1時よりの法要参拝)をして参りました。金堂での法要には密蔵院、泉蔵院の御詠歌講により「総本山智積院讃仰和讃」「同行和讃」が奉詠され法要に花を添えました。法要後、今年、能化様にご就任された寺田信秀大僧正猊下より、智積院が今まで多くの先師方により見事に興隆、復興を遂げられたお話を伺って参りました。本年、92歳をお迎えになられたとは思えない矍鑠(かくしゃく)としたお姿に一同感銘を受け心より敬意を表して参りました。 今後も我々末徒にお導きをお願い申し上げます。

 本山での法要、参拝を無事に済ませ、部長方のお見送りを受けながら、バスは特別拝観中の「東寺」へ。特に講堂内の立体曼荼羅に皆さんの関心が集中していました。東寺よりは琵琶湖を目指し、湖畔にある緑水亭に宿泊。その夜は、本山参拝を済ませたこともあり、料理にお酒、カラオケにと興じ、大いに盛り上りました。
 翌、最終日18日は、先ず西国札所である「石山寺」に参拝、残念ながら多宝塔は工事中のため見ることはできませんでしたが、代りに紅葉を楽しむことができました。次に、築城400年を迎えた国宝「彦根城」を見学、続いてNHK大河ドラマ「江」の活躍の舞台となった「長浜」の散策、思い思いに昼食をとり、主な行程を消化することができました。

 米原より新幹線にて帰路につき、東京駅よりバスにて各寺に向い、めでたく解散となりました。
 今回の団参は特に参加者が多く行き届かない所もあったと思いますが、何らの事故も体の具合の悪い人もなく、又、天候にも恵まれ和気藹藹(わきあいあい)とした雰囲気の中、無事、所期の目的を果たすことができたのではないかと思います。お世話になった多くの方々に心より御礼申し上げますと共に、次回にも是非、大勢ご参加頂きますようお願い申し上げ、参拝の記と致します。

合掌
2011年8月