暑さ寒さも彼岸まで

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 「暑さ寒さも彼岸まで」とは古来より言い伝えられた言葉ですが、本当にこの言葉のとおり お彼岸を境に長かった冬も少し春めいた感じになり、厳しかった暑さも終わりを告げ、ようやく涼しげな季節を迎える訳で、誠に言い得て妙な言葉であります。
 お彼岸は春秋2回、それぞれ中日である春分の日、秋分の日の前後3日間を含め計7日間をいいます。この中日は現在法律で「春分の日」「秋分の日」とされ国民の祝日と定められていますが、「春分の日は自然をたたえ生物をいつくしむ日」、「秋分の日は祖先を敬い亡くなった人をしのぶ日」とされています。
 明治時代には、それぞれ「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」と定められ「天皇が歴代の天皇、皇后、皇親の霊を祭る儀式を行う日」としての祭日であったが、終戦後に廃止され「春分の日」「秋分の日」となったものです。(但し皇室においては現在も続けられております)
 しかし、古来より農耕民族である日本人は春には作物の豊作を祈り、秋には豊作を祝い祖先に感謝の念を表わしてきたのです。そして、その元になったのが季節感であったのではないかと思います。春・秋の彼岸の中日は太陽が真西に沈み、昼と夜の時間が同じになります。 その真西には阿弥陀如来の世界があり、西方極楽浄土の信仰と前述の祖先信仰とが結びつき仏教行事として定着してきたのではないかと思われます。ですから、お彼岸はお盆と違って日本固有の行事であるといわれています。
 何れにしても、自然の恵みに生かされていることに感謝し、私達の生命が遠くご先祖より受け継がれてきたことの大事さを改めて認識する日がお彼岸の意味ということになるのでしょうか。お墓にお祀りされているのは父母であったり祖父母、兄弟であったりしても、どなたにもご先祖はいらっしゃる訳です。
 お彼岸の1週間のあいだに一日だけでもご先祖より受け継がれてきた我が命を省みることができれば、お彼岸の行事も意義あるものになるのではないでしょうか。

合掌
2014年3月1日