「総本山智積院合同参拝」旅行記

 去る11月25日から27日において、2泊3日の日程で密蔵院・正源寺・泉蔵院三カ寺合同(参加者:計71名)にて、真言宗智山派総本山・智積院(しんごんしゅうちさんはそうほんざん・ちしゃくいん)参拝(さんぱい)旅行を実施しました。
 この合同参拝旅行は三ヶ年に一度、開催しているもので、今回は兵庫県宝塚市にある古義系大本山(こぎけいだいほんざん)2ヶ寺、そして世界遺産の指定を受けた姫路城を参拝・見学し、さらに京都の紅葉(こうよう)を楽しんでいただくことを特色に企画致しました。
 まず、第1日目は早朝6時に各寺を出発したバスで羽田空港に向かい大阪・伊丹空港へ。伊丹空港より迎えの大型バス2台にて宝塚市にある大本山中山寺(だいほんざんなかやまでら)、清荒神清澄寺(きよしこうじんせいちょうじ)を参拝しました。
中山寺は聖徳太子によって開山され、また、明治天皇を御平産されてより「安産の観音」として賑わっている寺です。山門を入って参道両脇に建ち並ぶ塔頭寺院(たっちゅうじいん)を始め、見事に整備された伽藍(がらん)・境内(けいだい)の佇(たたず)まいには目を引かれます。広大な境内に整った伽藍配置は見事なものであり、このような寺は全国でも数少ないのではないかと思われます。また、この塔頭寺院の1つに成就院があり、その聖天堂もお参りをしてきました。

 次に参拝したのが台所(かまど)の神、火ぶせの神である荒神(こうじん)さまで有名な真言三宝宗大本山・清澄寺です。この日は生憎(あいにく)の曇天、小雨模様の天気でしたが山門を上がると目の前にまっ黄色の大銀杏(いちょう)があり、私たちが歩み寄った瞬間に黄金色の散華をしてくれました。仏さまが出迎えてくれたような有難さを感じました。
 この寺のご本尊(ほんぞん)は大日如来(だいにちにょらい)ですが、拝殿(天堂)には三宝荒神王、歓喜天(聖天)・十一面観音が祀(まつ)られ、浴油堂においては毎日、当山法主(とうざんほっす)による荒神、歓喜天の合同浴油供が一日も途切れることなく行われております。以前、この寺の法主はほとんど、この行堂におられるという話を聞いたことがあります。

 2ヶ寺を参拝した後は世界遺産「姫路城」へ。
 姫路城は別名「白鷺城(はくろじょう)」(しらさぎじょうともいう)と言われ、白漆喰(しろしっくい)で塗られた城壁の美しさが白鷺(しらさぎ)を連想させることから、そのように呼ばれています。
 現在「平成の修理」が進められており、2001年より2015年までの工事期間で事業費は28億円とのことです。私たちが見学した時には天守閣が未だ一部完成していないということでしたが、まっ白い漆喰で塗られた様は建築当初の姿を甦らせています。グランドオープンは来年3月とのことでした。
 この後は須磨寺(すまでら)を参拝の予定でしたが、時間の関係で取り止めて宿泊先のホテルオークラ神戸へ。大地震より見事に立ち直った神戸の街並、そしてポートタワーを真近かに見ながら夜景を楽しむことが出来ました。

 2日目は朝9時にホテルを出発。灘(なだ)の酒で有名な「白鶴酒造」を見学後、総本山智積院へ。
 約1時間の「日中参拝(にっちゅうさんぱい)」を無事にお勤めして記念撮影。本年、御歳(おんとし)95歳を迎えられた能化(のうけ)さまより親しくご法話を頂きました。昨今の「日本人に欠けているもの」について平易(へいい)に説かれるお姿と力強さに、大変感銘を受けました。総本山に参拝した一番の収穫ではないかと思います。
 その後「弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)」で有名な太秦(うずまさ)「広隆寺(こうりゅうじ)」を参拝後、亀岡の「湯の花温泉」に投宿。 71名による大宴会が催され、京都の夜を大いに楽しんで頂きました。
 3日目の最終日は終日、思い切り紅葉を楽しんで頂くことを目的にまず「トロッコ列車」に乗車。保津川(ほづがわ)の渓流(けいりゅう)と紅葉(もみじ)を25分楽しんだ後、嵐山の散策。そして、午後も「永観堂(えいかんどう)」「高台寺(こうだいじ)」を参拝・見学、しばらくは紅葉を見なくともよいかなと思う程、堪能することができました。それにしても観光客の多さにはビックリですね。

 京都の紅葉の色を目に焼きつけながら、夕刻、伊丹空港より羽田に到着。出迎えのバスにて、無事、各寺に到着後、解散となりました。
 今回も体の不調な人や何らの事故もなく楽しい旅行をすることができました。ご参加頂いた檀信徒を始め、ご協力頂いた関係各位に心より感謝申し上げます。

合掌
2015年1月1日