11月29日、午前中にてご法事をお務めし、またまたの聖天尊奉安寺院巡りに出かけました。
聖天さまをお祀りしている寺は思ったより沢山あるのですが、きちっとした形でご供養(華水供や浴油供)されている寺は全国的にも少ないのではないかと思います。全国の奉安リストもありますが、問い合わせてみると、ただお祀りしているだけの寺も多いようです。
実際にご供養するとなると、かなりの時間や手間暇がかかるのは当り前なのですが、その前に一生続けるという覚悟が必要となってきます。これは自分の意志というよりも尊天との仏縁ということに尽(つ)きるのかなと思います。 いくら固い信念で始めても途中で挫折(ざせつ)する者もあり、最後は尊天のお導きがなければできないことなのかと思います。
さて、今回は茨城県にある奉安寺院2ケ寺をお参りしてきました。常磐道、圏央道のお陰で、大分、時間が短縮され思ったよりも早く到着しました。
まず最初は天台宗円密院です。稲敷市信太古渡にあり霞ヶ浦に面した農村地帯で、回りは畑や田に囲まれたのどかな環境にあります。ご住職のお話によると、この辺の地域は千葉の成田山不動の信仰が強く、聖天さまを知る人は殆どいないという話でしたが、良縁成就と安産祈願に力を入れているということでした。
次に伺ったのは、竜ヶ崎市大徳町にある同じく天台宗薬師寺です。ここは秘仏二十三夜尊をお祀りしています。私も初めて聞いた名前ですが、本来、勢至菩薩であるということです。ご本尊は薬師寺という名前とは違い阿弥陀如来です。
二十三夜尊のいわれを伺いましたが、二十三夜尊と聖天尊、何か不思議な感じのするお寺でした。お茶の接待を受けながらご住職ご夫妻と聖天さまに纏(まつ)わる四方山(よもやま)話に盛り上りました。
実際に修法しているものどうしの話は共通点があり楽しくなります。 「聖天浴油供は大変だけど楽しい。醍醐味がある。」という話に皆、大いに頷(うなず)きました。
大きな寺ではないが、こうして尊天を信じ日々、ご供養の誠を尽している寺にお参りすると心から嬉しく感じます。 仏さまが光り輝くのは伽藍の大小や立派さだけでなく、何といっても住職の祈り、赤心(せきしん)にあると改めて思いました。
合掌
2015年12月15日