聖天尊 お参り心得

1、聖天さまをただひたすら信じて純真な気持で長く信仰を続けること。
 どんな仏さまでも一緒であるが、疑いの念を持たず、唯ひたすら信じていくことが基本である。
2、心身を清潔に保つこと。
 聖天さまは大変きれい好きであるので不浄は厳に慎まなければならない。 心と体を常に清浄にすること。
3、お供物は自分が美味しいと思うものをあげること。
 大根や神酒の他、甘味のものをお好みになるので、自分が美味しいと思えるものを吟味してお供えすることが肝要である。
4、愚痴は言わないこと。
 聖天さまは愚痴が嫌いです。 愚痴を言わずひたすら精進することをお喜びになります。
5、ご利益を他人に言わないこと。
 聖天さまから受けたご利益を自慢したり他の人に言ったりすることは慎んだほうがよい。
6、願いが叶った時は必ずお礼参りをし、感謝の誠を奉げること。
 自分のことだけを願うだけでなく、心願が叶った時は晋く回りの人の幸せも祈れるようになること。これは布施行に通じるものです。
7、最初に自分で決めた約束は守る。
 最初にお参りする時に約束した事は必ず守らなければならない。断物(たちもの)はしないほうがよろしい。又、在家の人は家に天尊を祀ってはいけません。
8、布施はけちらない。
 聖天さまにお供えする布施や灯明料はけちってはいけません。我々僧侶も聖天さまに必要な仏具等を購入する時は決して金額を負けさせるようなことをしてはいけません。但し、その人その人の分(ぶん)に応じた中で精一杯できることをすればよい。
9、厳父(げんふ)に接するようにする。
 聖天さまは非常に厳しい面もあるが、その心は優しく皆を救わんとする心の持主である。その優しさに甘えず、又、そうかと言って距離をあけすぎてもいけない。厳しい父親に接するような気持ちでいることが良い。

 私は聖天尊を信仰し、お参りを始めて今年で33年を過ぎました。夏の暑いとき、冬の寒いとき、又、体の調子が悪い時でも修法を続けてきました。今までに華水供を二千座以上修し、現在は浴油供を毎月4座修しているところであります。自分の年令を考えると何時まで聖天尊をご供養できるか分かりませんが、それは天尊の取り計らいにお任せする気持でおります。
 永い間、天尊にお仕えしてきた中で、以上の9項目をお参りに必要な心得として感じています。これは在家に限らずです。一見、面倒なようでありますが、仏に仕える為にはこの位の気持ちや覚悟を持たなくてはならないかと思います。
 特に4番目の「愚痴を言わないこと」は最近、天尊より直接言われたことです。考えてみれば、仏教の根本煩悩の貪瞋痴(とんじんち=三毒)の1つですので、仏教信者としては当たり前のことですが。
 このように心に注意をしながら心掛けていくことが天尊への奉仕であり、それはそのまま仏道修行へとつながっていくことであると思います。天尊のお導きに感謝しながら、これからも天尊修行の道を歩んでいきたいと願っております。

合掌
2016年09月01日