長野の古刹参拝

 数年前より家内と約束していた本派の長野古刹寺院参拝がやっと都合がついて実行(と言っても1泊での三ヶ寺参拝ですが)できました。
 6月12日、朝、車にて関越自動車道より上信越道路そして長野道を走り先ず松本を目指す。約3時間程で、本宗智山派牛伏寺に到着。丁度、昼食時間になったので、参拝の前に近くのそば屋を見つけ昼食をとる。地元の人で一杯の店のそばの味は仲々のものでした。
 海抜千メートルの山上に位置する金峯山牛伏寺(きんぽうざんごふくじ)はその昔、本尊十一面観音の霊力により経典を積んだ2頭の牛が、この地で同時に倒れたことに由来しています。 古来より牛伏厄除観音と称し、厄除霊場として県内外に知られている名刹です。
 坂道の途中にある冠木門(かぶきもん)前まで車を乗り入れ、山門、本坊、如意輪堂、仁王門、観音堂を巡拝しました。
 特に如意輪堂は茅葺の大規模なお堂であり、観音堂と共に伽藍の中心をなしています。

 次に向かったのは、長野市篠ノ井にある長谷寺
 この寺は倅(せがれ)が本山専修学院に入学した時の生徒監(せいとかん)であった岡澤慶澄師が住職をしておられ、又、奥方が「釈迦涅槃図の絵解(えと)き」をされるので有名であり、教区や法類会でお願いをしたことがあります。
 長谷寺は、西暦637年の開基とされており、仏教が伝来してかなり早い時期に開山されたことになります。本尊はやはり十一面観音であり平安時代の作、秘仏となっています。山道をかなり上った駐車場に車を止め、階段を上ると山門があります。山門をくぐると、正面に観音堂が高く聳(そび)えて見えるのが印象的です。又、観音堂から見下(みお)ろす下界の景色もすばらしいものがあります。 長野は冬は場所によっては雪深い所もあるようですが、夏は気温も低く爽やかに感じられます。
 当日は突然の参拝でしたが折よく住職夫婦に会うことができ、ご夫婦揃って寺の護持に努めている姿を拝見することができました。

 最後に参拝したのは、北佐久郡御代田町にある真楽寺
 こちらも長野の古刹として有名であり、一度は参拝したいと思っていたのですが、先程の岡澤師と同様、倅が専修学院入学時の副生徒監をしていた古越深志師が総本山、別格本山修行の後、最近、真楽寺の住職として晋山された話を聞き伺った訳です。
 浅間山真楽寺と号し、用明天皇の勅願により開山。龍神伝説、浅間山別当、勅願寺として知られる。第31代用明天皇は長子である聖徳太子の勧めもあり仏法に深く帰依されていたが、その頃、浅間山が突如、大噴火した。
 天皇は早速、勅使を派遣され浅間山の鎮火祈願のために真楽寺を建立され、御山安穏と人民救済の祈りを捧げたとされています。
 境内には10間は超すかと思える大本堂を始め、三重の塔、仁王門、書院と見所が沢山あり、その昔、源頼朝公も42歳の厄除けに参詣したことは有名だとされています。
 当日は不意の訪問にも関わらず古越住職の出迎えを受け、久しぶりに元気な姿を拝見することができ大変、嬉しい思いをしました。山内伽藍を全て案内してもらった後、普段は参拝できない聖天堂を特別に参拝させて頂きました。
 この寺の益々の興隆と古越師のご活躍とご多幸を心より聖天尊にお祈りをして、真楽寺を後にしました。

 今回、参拝した長野の寺は皆、名刹であり古寺をお護りしていく住職のご苦労は如何許りかと同じ住職として余計なことを考えてしまいました。これからもご本尊のご威光益々輝き寺門の興隆と衆生を護らせ給うよう心よりお祈りを申しあげて参りました。

合掌
2019年07月01日