「不動堂」建立~経過報告(6)

 京都の工房で制作中の不動堂本尊としてお祀りする不動三尊像の彫刻が終了したので、去る10月9日 注文先の田平仏具店の若さんと仏師の工房に行って確認してきました。
 この不動三尊は前述のとおり奈良生駒山宝山寺の本尊不動明王をお手本に制作したものですが、仏身を2尺8寸としたため、こちらの方が少し大きくなりました。
 生駒のお不動さまは開山 湛海(たんかい)律師(1629~1716)が造仏したもので「不動十九観」に依るものです。

 

 工房の不動三尊(矜羯羅(こんがら)童子だけ一足先に塗師(ぬし)にいったとのこと)は写真のとおり現在は木肌(きはだ)のままですが、これより塗師の元で下地(したじ)を塗り彩色(さいしき)を施し、飾り金具をつけて来年夏の完成になります。完成し開眼をした暁(あかつき)には機会をみて生駒にお礼の報告ができればと思っています。
 折角、京都まできたので、翌日は真言宗御室派(おむろは)総本山 仁和(にんな)寺で特別公開されている「平成大修理完遂 仁和寺観音堂~三十三体のみほとけと幻の観音障壁画」を拝観してきました。

 

 この観音堂は幾度も火災で焼失し、現在の建物は江戸初期に再建されたもので、本尊に千手観音、両脇に不動、 降三世、眷属として二十八部衆、風神、雷神が祀られています。
 この度、6年に亘(わた)る半解体修理が行われ再建当時の姿がよみがえり普段、非公開となっている内部を特別公開しているものです(本年11月24日まで)。僧侶の説明によると次の公開は未定であり、再び公開することはないかも知れないとのことでした。
 我が寺にお祀りするお不動さまと仁和寺の千手観音にお参りすることができ至極、幸せな気分に浸(ひた)ることができました。
 そして帰り道に麩嘉の生麩(なまふ)とかね正のお茶漬け鰻をお土産に買い京都を後にしました。

※不動明王~台幅4.5尺 台奥行き3.75尺 総高さ7.5尺(身丈2.8尺)
※両童子 ~台幅2尺 台奥行き1.9尺 高さ4.5尺

仏師 福井宗傳 略歴
 1986年09月  京都松久宗琳仏所に入門
           弟子入り、朋琳、宗琳師に師事
 2012年12月  松久宗琳仏所を退所
 2013年01月  独立して今に至る
           54歳、京都在住

合掌
2019年10月20日