大阪聖天寺院 参拝

 今年2回目になる聖天尊参拝旅行、今回は大阪に出かけてきました。行程は次のとおりです。
11月6日(水)
 和宗総本山四天王寺 → 愛染院勝鬘院 → 日本橋聖天法案寺南坊
11月7日(木)
 福島(浦江)聖天了徳院 → 善福寺 → みのおの聖天西江寺 → 天下茶屋聖天正圓寺
 以上、2日間で7ヶ寺をお参りしてきました。
 関西は関東に較べて聖天寺院が多いが、その訳は「家康が天海僧上に徳川家の家門繁栄を聖天さまに祈らせ、関東の寺には聖天祈祷をやらせないようにした」という伝説があるが、真偽のほどは?
 先ず、四天王寺であるが、今から約1,400年以前、推古天皇元年(593年)に聖徳太子が建立された日本最初の官寺です。太子は当寺を建立するに当たり、敬田、悲田、施薬、療病の四箇院を構え、鎮護国家の道場、済世利民の実践所とされた。

 寺域は33.000坪、堂塔伽藍は度重なる戦火天災にあい、再建を重ね、特に昭和20年3月14日の空襲によって七堂伽藍の大半を焼失したが、再現、復興し、この寺域と伽藍は創建当初の姿を今に伝えている。
 元々は天台宗に属していたが、今は既存の仏教宗派にこだわらない全仏教的な立場から「和宗総本山」として独立している。
 以前より一度はお参りしたいと思っていましたが今回、縁がありこの広大な四天王寺を参拝することができました。
 東京でいうと浅草の観音さまのような庶民信仰の総本山とでもいえるような寺と感じました。それにしても広い境内です。五重塔は最上階まで上れるようになっているが、私は足が悪いので昇りませんでした。
 次にお参りしたのは愛染堂勝鬘院(しょうまんいん)。この寺は四天王寺の北西の角にあり、四天王寺の施薬院(薬草を植え、病に応じて人々に与える)が元々、あった場所とされています。正式名は勝鬘院ですが、平安時代以降は愛染明王が本尊として奉安され、愛染明王信仰の普及と共に愛染堂と称されるようになったとのことです。本堂には本尊愛染明王、そして左側には聖天さまがお祀りされていました。

 次に伺ったのは高野山真言宗準別格本山法案寺南坊、日本橋(にっぽんばし)聖天。大阪の中心街にあるこの寺はビルの谷間に小さいけれど朱塗りの山門が一際(ひときわ)目に付きます。受付におられた住職夫人とおぼしき方にたずねると、毎月1日より浴油供をされておられるとのことでした。

 翌日は朝8時半にホテルを出発し、東寺真言宗 福島聖天了徳院に参拝しました。昔は浦江聖天といっていたそうですが、狭い地域の名前なので福島区の福島聖天と最近は呼称しているとのことです。

 入口に大きな鳥居、灯籠も大きく聖天尊の広大無辺な慈悲を表しているようでした。境内も広く又、管理も行き届き、清浄な気持ちでお参りすることができました。
 大阪はメンバー4名共、不案内でありレンタカーのナビが頼りです。それでも時間通り参拝が進み、10時に面会をお願いしていた高野山真言宗 善福寺へ到着することができました。
 この寺は箕面市栗生に所在し、元々は勝尾寺に参拝する人の宿坊だったと聞きました。又、大変見晴らしのいい高台にあり、下界を見下ろす最高のロケーションでした。ご住職に面会し、お茶の接待を受け本堂へ。

 元々、寺にお祀りされていた聖天さまを一念発起して伝授を受け、3年前より浴油供を修しておられるとのことでした。
 本堂で法楽を済ませ、聖天法についていろいろな話をやりとりしました。「修法で分らないことがあれば、直接、聖天さまに聞きなさい」と伝授されたとのことで、実際にそうすると「聖天さまが答えを示してくれるのです」と。なかなか、意味深い話でした。
 次に伺ったのは同じ箕面(みのお)市の高野山真言宗 西江寺(さいこうじ)。 役行者(えんのぎょうじゃ)が開山され、日本初の聖天さまがお祀りされています。通称「みのおの聖天」。少し急な石段を上がりきった所に本堂である聖天堂があります。この辺は秋は紅葉の名所であるとのことで、ハイキングがてらのお参りを見受けましたが、あまり人気(ひとけ)はなく閑散とした感じがしました。

 最後にお参りしたのは、東寺真言宗 正圓寺、通称「天下茶屋(てんかぢゃや)聖天」。本尊は日本最大の木彫聖天尊。そしてその右側には十一面観音、左側には大自在天(だいじざいてん)がお祀りされております。厨子を特別に開いて見せていただきましたが、大自在天をお祀りしている聖天寺は初めてです。かなり大きな尊体で鼻が長く、単身聖天とよく似ている感じがしました。
 又、不動堂の不動三尊はすばらしいお姿で、住職のお話では生駒の湛海さんかそれに係(かかわ)る仏師によるものではないかといわれておりました。
 私も見た瞬間に似ている雰囲気を感じましたが、丁度、仏像の調査にきていた専門の人たちより1800年頃のものであると聞き、少し残念な思いをしました。

 ご住職は毎日、浴油供を修しているとのことで、浴油本尊は白檀(びゃくだん)で彫られているとのことでした。白檀で作られた聖天さまも初めて聞いた話です。もっとも自坊の十一面観音も白檀だったなと思い出しました。だいぶ前に作られた白檀の聖天さまだが、浴油で暖めると白檀の香りが未(いま)だにすると言われたのが印象的でした。
 こうして予定の7ヶ寺を巡拝することができ、又、善福寺と正圓寺のご住職と面会して色々、聖天尊にまつわる話ができ、大変中味の濃い参拝旅行とすることができました。この参拝で得たものを少しでもこれからの聖天信仰に生かしていくことができればと思います。
 聖天参拝会のメンバー3名と多忙の中、時間をいただきました善福寺と正圓寺のご住職に御礼申しあげます。

合掌
2019年11月15日