弘法大師像 制作「経過報告」(1)

 去る3月21日に制作を依頼したお大師さまの坐像が6月17日、発注先の京都より彫刻状況確認のため当山に運ばれました。
 本来ならば、こちらから仏師の工房に出向くところなのですがコロナ禍ということで仏師と田平製作所の計らいで遠路、京都より車で運んできてくれたのです。
 前述のとおり高野山にある萬日大師をモデルとして制作しているものですが、その出来映えはなかなかのものであると思いました。
 制作に当ってお願いしたことは、お大師さまの五鈷杵を持つ右手は金剛拳、そして念珠を持つ左手は胎拳に、又、五鈷杵は御請来型を想定し、かなり大きめにするということでした。
 これより彫刻は仕上げに入り、その後は彩色、今回は薄彩色とし眼は玉眼ではなく木眼(彫眼)となります。
 また身丈は2尺、念珠は御影念珠(赤瑪瑙(めのう)と水晶)尺2寸、御椅子(御椅子の上は半畳ではなく布状の敷物、茵(しとね)とする)、水瓶(すいびょう)、沓(くつ)(木履(ぼくり))付きとします。以上が主なる仕様となります。
 全てが完成するのは遅くとも年内という予定であり、お大師さまの御誕生1,250年(令和5年)記念には完成が少し早いのですが、お祝い事は早めがよろしいと理解し、このまま進めていきたいと思っています。

合掌
2021年6月20日